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兵庫から単身赴任で東京に暮らす39歳。趣味は登山とロードバイクとか言いつつも激務にやられロードバイクは部屋のオブジェと化してる今日この頃。もう一度輝きを取り戻したい!!!
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小屋の前で休憩してると小屋の前で無線で話してる人がいる。話を聞いてると現在の山の天候のことであった。ガスが少しかかってるとかそういう話をしていた。趣味でやってるアマチュア無線の通信とはなんか違うので通信が終わった後で話を聞いてみるとこの方は御西小屋の方で通信相手は県警とのこと。なんと昨日雪渓で滑落事故が発生してその人は亡くなったらしい。「うわぁ~マジでか!?」
正直、御秘所を越えたらあとは楽園みたいなところをルンルン気分で歩くものだと思っていたのでそんな滑落事故が起こるようなところを通るとは思っていなかった。ヤマレコの山行記録では僕の通るルートはアイゼンが不要というという情報も見ていたのでこの事態に正直ビビった。
亡くなった方は80歳の男性。小屋の方はこの男性が御西小屋に着いたときにお話しされた模様。すり足で歩くような感じで本峰から御西の小屋までも相当な時間がかかってたらしい。
その男性のザックを回収するためにこれから県警のヘリが飛んでくるらしい。それよりもなによりもそんな恐ろしい雪渓があるとは思ってなかったのでこれから先のルートについてあれこれ聞いてみた。その事故が起こった雪渓はここから目視でも確認できた。ここから梅花皮小屋までには何か所か雪渓があるんだが、すでに溶けてなくなってるところや巻き道で巻けるとこもあるので巻けるところは巻いていけとのアドバイスを受ける。「アイゼンがないとやばいですか?」とビビりながら聞くも「注意すれば大丈夫」とのことでビビりながらも出発することにした。
9時15分、小屋のトイレ横に咲くお花に見送られて出発。雪渓、緊張するわー。










問題の雪渓は手前ではなく奥の方。短いように見えるんだが実際に現場に行ってみんとわからんな。











前方には先行する2人パーティーの姿が。僕よりちょっと前に小屋を出発したんだがもうあんなところまで進んでいる。 
まずは小屋からグーンと高度を下げる。足元にはチングルマ。花の名前には詳しくないがこれはわかる。








 相変わらず東北のアルプスは雄大な景観を見せてくれる。













小屋を振り返る。














それなりにアップダウンを繰り返す。これまた写真じゃ伝わらないけど結構痩せてる。














10時05分、天狗の庭に到着。














  お花がきれい。
初めの雪渓登場・・・ま、この状況なんで問題なし。









さらに進むと件の県警ヘリの姿が見えた。山を楽しみに来てただろうに。こういう事故は悲しすぎる。












そして件の雪渓に到着。















う~む、注意して進めばなんということはないんだが・・・。高齢でもあったしいろんなことが重なってスリップしてしまったんだろう。右側に寄りすぎたのかな。滑るとこれはもう止められない。











ところでこれまでほとんど人と出会っていない。切合小屋から飯豊山の本峰で引き返す人もいるんだろうけど本峰を過ぎてから誰にも追い抜かされないし誰ともすれ違わない。御西で追いついたパーティーも大日岳に行っちゃったし。御西小屋を先に出発していったパーティーも歩くのが早い。つーか僕が歩くのが遅い・・・。ただ向こうはところどころで休憩を入れているようで時折後姿が見える。「おっ、追いつくか!?」と思うも向こうは歩みが速いので追いつきそうで追いつかない。御西小屋を出たところで御夫婦のパーティーとすれ違って以来誰ともすれ違っていない。そのご夫婦も「全然誰とも出会わない」と言っていた。う~む、このまま一人旅が続くんかいな・・・。
すると前方から単独の登山者が向かってきた。久々の登山者にちょっとテンションが上がって話しかけた。すると「御西小屋で滑落のことは聞いてますか?」と聞かれその件でも話をした。その後「お気をつけて~」って別れたけどなんか普通の登山者というよりも県警の人かなって感じがした。ちなみに「2人組のパーティーいました?」と聞くと「すぐそこにいるよ。休憩してる。」ってことだったので歩いていくとほんとにすぐ近くにいた。しかし悲しいかなすぐに置いてけぼりにされてしまった。
再び一人旅をしていると雪渓が現れた。道が2段になっているので上の方で巻こうとするとなんと行き着いた先にも雪渓が。しかも対岸の着地点をみると「あれってちゃんとつながってるか?」という感じで心許ない。実際に行って無理なら引き返せばいいんだがスリップしたら終わりそうな雪渓である。もし「ここ渡っちゃダメだろ」ってとこなら危険なので周りを見渡すもここ以外に道は見当たらない。下の段の道は見下ろしても対岸はどうにも這い上がれそうもないほどの段差があり間違いなくあちらは今のルートではない。「困ったな~」と思い念のため来た道を引き返す。もしかしてさらに分岐があってそれを僕が見落としてるかもしれない。上を見ながら引き返すも分岐は見当たらず「・・・。行くしかないか・・・。」しかし右側が斜めっててなんともいやらしい雪渓だった。そんな感じでもじもじしてると「あれ?」
なんとさっきすれ違った単独の方がやってきていた。「あれ?どうしたの?」と聞かれ「先の雪渓がなんか嫌で、巻き道を見落としてないかなと思ってちょっと引き返したんですけど。」と言うと「いや、この道であってるよ。」と言われた。つーかなんでこの人がこっちに引き返してきてるのか理解できず「もう登ってきたんですか?」と聞くと「いや天狗の庭まで行って戻ってきた。」とのこと。「???」と謎マークをいっぱい浮かべていると「今日はどこまで?」と聞かれ「門内小屋まで」と答えると「じゃあまた後で会うね。」と言われ「門内小屋まで行かれるんですか?」と聞くと「私、門内小屋の小屋番だから。」と言われビックらこいた。なんでも昨日の滑落事故の一報を聞いて雪渓の状態も含め登山道の状況を確認しに来たとのこと。いや~素晴らしい。他人からの情報だけではなく自らの目で確認に来るとはさすがです。ほんとお疲れ様です。で、この門内小屋の方に連れられて雪渓を渡る。「黒くなってるところは固く凍ってるから踏まないように。」とか的確なアドバイスを受けながら無事雪渓通過。
通過後に振り返る。写真じゃほんとに伝わらないんだけどちょっと細いし谷側に向けて斜めっている。小屋の方も「ここはちょっと危ないねぇ」って言ってた。しかしヤマレコの記録とか見てだーれもこの辺の記載はなし。危険個所無しとか書かれている。こんなところを「怖かった」とか言ってたら爆笑されそうだ。まぁ僕みたいなヘッポコ野郎ではなくちゃんとした山のぼらーなんだろう。所要時間もコースタムなんか屁のツッパリにもならんくらいの短い時間で歩いている。日帰り装備ならその時間でも歩け・・・いや無理だな。日帰り装備でも無理だ。雪渓を渡り終え「梅花皮小屋から2時間くらいですか?」と聞くと「いやいやそんなにかからない。ゆっくり歩いても1時間半もあれば着くよ。」って言われた。安心しつつも「でも俺の足じゃなぁ~」と思ったりもする。
どう考えてもこの人と同じペースで歩けるわけがないので「んじゃ、僕はゆっくり行きますん。歩くの遅いんで到着が15時半とかになっちゃうかもしれませんけど。」とあらかじめ言うと「ゆっくり来たらいいよ。」という言葉とともに「じゃぁ気をつけて。ここから先はもう雪渓はないから。」と僕を安心させてくれる一言を付け加えて去っていった。
10時55分、御手洗ノ池に到着。コースタイム通りだと50分後には烏帽子岳の山頂にいなければならないんだがどうだろう。すでにコースタイムよりも遅れてるうえに途中写真を撮ったり休憩を入れたり雪渓のところでもじもじしてたからこの時点でもだいぶ遅れてるんだろな。




ここまで来ると・・・つーかその前から青空はとっくに消え失せガスに包まれている。













はるか前方には先ほどの小屋の方の姿が。左上の方に豆粒みたいに写ってる。
あのガスガスの中に烏帽子岳があるんだろうか???









 ガスが晴れたと思っても















 気がつけばガスが湧き上がってくる。













  飯豊連峰はこういう沢がいくつもあって夏でも雪渓が残っている。これは石転び沢・・・ではなく御手洗沢。ちなみに登山道ではない。
おぉ~てっぺん見えたぞ。










 さすが豪雪地帯だけあって豪快な雪渓が数多く残る。通過はしないけど。
登りにさしかかるとお花畑エリアに突入する。 
ぶひ~。それでも登りはしんどいわい。











でもこういう景色が広がる。
御西小屋の人に「いや~お花畑がすごいですね」って言ったらここもきれいだけど私は烏帽子岳の手前のお花畑の方が好きだと言っていた。
それがこの辺なんだろうな。
 てっぺんにたどり着くもそこは烏帽子岳ではなかった。あとから地図を見て思ったんだけどそこはクサイグラ分岐だったんだと思う。で、そのてっぺんを振り返った画。
烏帽子岳、まだかぁ~と思いつつガスの中を進む。






ガスだけどお花はきれい。

12時20分、やっとこさ烏帽子岳山頂に到着。しかしまぁトンボの数がすごい!!!
乱舞っていうかなんつーか。うちの会社のヤマ部に虫嫌い、特にトンボが嫌いの子がおるがその子を連れてきてたら発狂してるだろう。その子曰くトンボの目が気持ち悪すぎるらしい。
しかしここまでの所要時間は7時間45分。コースタイムは7時間10分。う~む、順調に遅れは広がっとんな。でも御西小屋から見たらコースタイム3時間に対し3時間05分。あんだけ写真を撮って休憩もしてコースタイムをキープしてるんならまぁありかなと。「コースタイムいっぱいかかっとんかい」って笑われるかもしれんがこれが現実だ。素直に受け入れる。
ここまで来たらもうコースタイムとかどうでもいい。それよりもちゃんと門内小屋まで行けるかどうか。梅花皮小屋泊まりなんてことになったら明日の飯豊山荘の11時40分発のバスには絶対に間に合わん。つーかここからもアップダウンが続くのね・・・。





  ガスの中を進む。
















12時57分、梅花皮岳に到着。













ここでもトンボが乱舞している。




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  梅花皮山荘を目指して進む。こういうところも通るんだが、右側が切れてるのでずるっといったらと考えると恐ろしい。写真じゃ伝わらないけど斜めってるから地味に緊張する。一瞬で通過するけどこういうのがこの飯豊連峰、何カ所もある。











ガスに包まれ周囲の山々の姿は見えない。それでもお花畑にはこの世の春を謳歌する花々が。

疲労困憊だけどこういう景色には癒されるわ。
すると空から雨が降ってきた。パラパラだけど空の様子を見てるとバーッと来そうでもある。しかし雨具を着たりザックカバーをしたりするのはめんどくさい。ということで気持ちペースアップして梅花皮小屋目指し下って行く。
えっさほいさと下って行き13時23分、梅花皮小屋に到着。いや~御西小屋から長かった。4時間8分かかった。コースタイムは3時間50分。18分遅れだ。烏帽子岳までは5分遅れだったけどここまでは18分遅れと遅れが広がった。烏帽子岳からはコースタイム50分のところを1時間3分。区間区間でコースタイムを少しづつ越えてんな。コースタイム通りじゃ笑われるけどもういい。とりあえず梅花皮小屋までやってきた。
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

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