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兵庫から単身赴任で東京に暮らす39歳。趣味は登山とロードバイクとか言いつつも激務にやられロードバイクは部屋のオブジェと化してる今日この頃。もう一度輝きを取り戻したい!!!
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図書館で借りてきた真尾悦子さんと言う方が書いた「サイクル野郎2500キロ 北海道ひとり旅」という本を読んだ。福島高専の3年生の男の子が北海道を自転車でひとり旅をするといういかにも僕が好きそうなノンフィクションである。ちなみにこの男の子の旅を真尾さんが文にしたものである。この本、実は約30年前に出版されたものだ。僕はまだ小学生で、青函トンネルはなく青函連絡船で北海道に渡っていたころの話だ。しかし僕はその6年後から北海道を訪れているのでこの本に出てくる北海道の様子は古き良き時代のものとして理解できる。そして非常に懐かしい。今でも変わらないところはたくさんあるけど始めの方に出てきた蕨岱駅のくだりには「へぇ~」って思った。長万部で宿泊する予定だったが正午には着いてしまったのでその先へ進み行き当たりばったりで宿を探していた時のことだ。長万部から内陸に入ると一気に山の中になる。人家1つ見当たらない状況に不安になった彼が蕨岱の駅を見つけて駅に入った。蕨岱と言えば押しも押されぬ秘境駅。しかし今春のダイヤ改正で廃駅となってしまうほどの秘境駅である。年末の北海道の旅では僕もここを通過ししっかり写真に収めていた。
その蕨岱の駅を訪れた時のくだりでは「制服の駅員が一人いた」「山小屋のような駅だった」との記載がある。そこを読んで驚いた。あの秘境駅に駅員がいた時代があったとは。駅舎があった時代があったとは。
これが去年の年末に撮影した蕨岱駅。これしか知らないのでここの記載には驚いた。でも北海道の駅の中にはこの手のものがたくさんあるんだろうなぁ。「カレチ」に出てきた 上尾幌駅(尾幌駅だったか?)にも駅員氏がいたしなぁ。



話以外で印象に残ったのは旅の途中で出会う人々。その中に大阪から来た高校生が出てくるんだがその大阪弁がめっちゃコテコテ過ぎるのだ。「やぁ、あんたはんも自転車でっか?」「ぼく、長田いいますねン」(原文のまま)
いくら30年前とはいえこんな話し方の高校生はおらんやろと突っ込みたくなった。その子とは枝幸で再会するんだがその時も「久しぶりでンなぁ、水木はん。」とか言っているのでなんか苦笑してしまった。
あと時代を感じたのがやたらと飲酒に関する描写が出てくるところだ。まぁ内々の世間話程度なら「高校生くらいともなれば酒くらい飲むわい」で終わるだろうが一応これは公の出版物である。話の中でやたらとビールで乾杯するし斜里のユースホステルでは盛大に飲み会とかやってるし池田ではワイン城でワインも飲んでいる。札幌のビアガーデンでのくだりでは「伸太郎(主人公)とアルコールのつき合いは、15歳からである。高専の新入生歓迎キャンプで云々~」とお酒とのなれそめまでご丁寧に記載されていた。まぁ時代だな。おおらかな時代だったということだ。今なんか日本全国総監視カメラ時代と言っても過言ではない。誰とは言わんが往年のアイドル2人が山陰線の線路に入った云々で炎上した挙句に書類送検までされてしまう時代である。そりゃまぁ違反は違反なんだがここまで大騒動になるような話かと正直思ってしまう。なんか息苦しいわ。
最近は図書館で本を借りてきても読んでる途中でやめてしまうことが多いけどこの本は最後までしっかり読み切った。とても面白くて読んでてワクワクした。もう僕にはこういう旅はできないな。まずは休みがない。そして毎日が日曜日になるころには気力と体力がなくなっているだろう。僕らの定年は何歳なんだろう。70歳か?75歳か???第2の人生なんてありゃしない。働けるだけ働いてあとは闘病して終わりって感じである。文字通り死ぬまで働かされる。国は生涯現役とか都合のいいことばっかり言って実際には年金が払えんからそうやって年金の受給開始をどんどん後ろへ持って行く。今の仕事を70歳になってできるかと言えばできるわけがない。耳も聞こえん目も見えん。できるかよそんなんで。
昔は定年は55歳とかいう時代だってあったのだ。平均寿命が延びたとかいうけど要するに年金の仕組みが崩壊しているのだ。このままじゃ年金を1円ももらえないまま死んでいく人達だって続出するに違いない。ひーひー言いながらも健康で定年まで働き抜ければまだいい。それまでに病気とかになって働けなくなったらどうなるんだ???
まぁ最後は世の中への不満が爆発してしまったけどこの本は面白かった。こんな旅はできないけど学生時代には自転車で名古屋から広島まで東海道・山陽本線沿いに帰ったり、大阪南港から高知に渡って四国山地をぶち抜いてしまなみ海道を渡って福山まで行ってみたり、社会人になっても旭川から宗谷岬までロードで走ってみたりできる限りのことはやってはきた。あとはこのような本を読んで人の旅でワクワクしよう。
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